消えた年金・宙に浮いた年金とは

消えた年金とは、正確に言えば消えた保険料のことです。確かに納めたはずの保険料が、社会保険庁に納付記録として残っていないことです。当然の結果として、年金はもらえませんので、消えた保険料は、消えた年金と同じ意味になります。
宙に浮いた年金とは、国民年金や厚生年金で誰のものか特定できない年金加入記録を指します。社会保険庁は、国民年金・厚生年金・共済組合年金の3つの制度毎に付与されていた番号をひとつに統合しようとしたのが、平成9年(1997年)から実施された基礎年金番号の導入です。しかし、ずさんな事務作業などで未統合の記録が残ってしまったのが5000万件以上あり、保険料を納めた主がわからずに宙にさまよっているということです。宙に浮いた年金5000万件の中に、もしかするとあなたの年金も含まれている可能性があります。本来もらえるはずの年金ですので、必ず取り戻しましょう。
また5,000万件の宙に浮いた年金とは別に、社会保険庁に記録が残っていない消えた年金があります。1954年4月1日以前に退職した厚生年金加入記録が、旧台帳として別保管され、電子化がされていないことがわかりました。その厚生年金加入記録は1,430万件あります。
取り戻すためには、準備が必要です。まずはご自分の年金手帳を確認しましょう。年金手帳の表紙には、オレンジ色と青色の2種類ありますが、青色の表紙の年金手帳は、平成9年から発行された新しい手帳になります。昭和49年以前に厚生年金に加入していた人は、「厚生年金保険被保険者証」があるかも知れませんが、オレンジ色の年金手帳ができたときに、年金番号が引き継がれているはずですので確認してください。もし被保険者証と年金手帳の番号が違っている場合には、年金番号が統一されていませんので、宙に浮いている可能性があります。
平成9年にすべての番号が統一され、『基礎年金番号』として個人が管理されています。もし年金手帳が複数あり番号が違っている場合には、注意が必要です。基礎年金番号に統一されていない可能性がありますので、基礎年金番号への統合が必要になってきます。

こんな人は要注意、チェックリスト

次の項目に該当する場合に、消えた年金・宙に浮いた年金になっている可能性があります。中でも名前に関するミスはかなり多くあります。表記の違いで別人扱いになってしまいますので、年金記録が消えていた場合には、社会保険事務所において可能な読み方で検索してもらってください。例えば名前が中島の場合、「ナカジマ」か「ナカシマ」の読み違いでさえ別人扱いとなります。
基礎年金番号制度は平成9年1月から始まりましたが、もとの台帳に書かれていた名前が間違っていたり、手書き文字が読めなかったり、台帳は正しくとも入力の際に名前を間違えたりなど、処理上のミスによって年金記録が消えている可能性があります。名前によっては、性別が間違っている可能性もありますので、注意が必要です。もはや、自分の年金は自分で守らなくてはならない時代となりました。本来はもらえるはずの年金ですので、自分の年金記録をひとつひとつ正確に確認しましょう。
 
・結婚で苗字が変わった
・名前が読みにくい
・男女ともに使える名前だ
・転職した経験がある
・転勤、出向した経験がある
・失業した経験がある
・年金手帳が2冊以上ある
・年金手帳がオレンジ色だ
・専業主婦だがOLの経験がある
・合併や買収で会社が変わった
・海外勤務の経験がある
・引っ越しが多かった
・自治体で特例納付の一括払いをしたことがある
・勤めていた時に年齢をごまかしたことがある
・昭和34年1月以前に農業会(農協)に勤めていたことがある
・戦時中、軍需工場に徴用されたことがある
・米軍キャンプで働いていたことがある
・厚生年金基金のある企業に勤めていた

ねんきん特別便・・・年金履歴書を作ろう

平成19年12月より、名寄せ作業の結果、基礎年金番号の記録と結びつく可能性のある記録が出てきた人に、平成20年3月までを目途に『ねんきん特別便』が送付されます。それ以外の人には、平成20年4月から10月までに送付される予定です。注意しなくてはならないのが、この『ねんきん特別便』の加入記録には、その人の基礎年金番号で把握している加入履歴が載っているが、その人が持ち主かも知れない「宙に浮いた年金」記録については一切記されていないことです。
したがって、『ねんきん特別便』を受け取った人は、記録に漏れがないか自分自身で確認しなければなりません。結局、消えた年金・宙に浮いた年金を見つけるには、自分の記憶だけが頼りです。
自分の職歴などをまとめた年金履歴書を作成することをおすすめします。内容として、氏名・誕生日・最終学歴・職歴・職務期間等を細かく記載します。勤務していたのが、ひとつの会社であれば簡単ですが、この場合でも注意しなくてはいけないことは、転勤したかどうかです。厚生年金は、務めていた事業所毎に手続きしますが、まれに転勤した事業所で手続き忘れをしている場合があります。出向した記録もきちんと整理しておきましょう。また、一時的な失業期間は、国民年金に加入するはずですので、わずかな期間であったとしても国民年金に入っていれば忘れずに書いておきましょう。
女性の場合は、少し複雑になるかも知れませんが結婚している場合には、旧姓も書いておきます。扶養家族になるといわゆるサラリーマンの妻として「第3号被保険者」となりますが、この制度ができたのは昭和61年4月からですので、結婚年月日も書いておいてください。年配の方の場合には、太平洋戦争前後の職歴期間が忘れがちになりますので、軍需工場で働いた期間も年金加入記録として残りますので、忘れずに書いておいてください。
こうして作成した年金履歴書と送付されてきた『ねんきん特別便』をチェックしましょう。自分の年金記録を守るのは自分だけということを意識してください。
年金の専門家は、社会保険労務士(社労士)ですので、場合により相談されることをお勧めします。



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